JR函館駅前で再開発ビル「キラリス函館」の建設を進めているNAアーバンデベロップメント(函館市若松町、布村隆二社長)は9日、来年3月予定の全面開業を前に、1階の商業スペースを7月29日に先行オープンすると発表した。全国チェーンのカフェバー「プロント」など6店が入居。函館の玄関口の新たな顔として観光客を迎えるとともに、中心市街地の活性化を目指す。
キラリス函館は、マンションや市の公益施設を併設する地下1階、地上16階建ての複合商業施設。当初は地下1階~地上2階の商業スペースを北海道新幹線開業に合わせ3月の開業を予定していたが、工事の遅れから延期となり、今回は1階部分のみの開業となる。
函館初出店となるプロントは、NA社のグループ会社「SMART」が運営。約145平方メートルのスペースに73席を設ける。また、NA社が同ビル向かいに店舗を構える「ねばねば本舗」が「えぞりす」と店名を変えて移転。これまでのガゴメ昆布商品を中心とした道南産品以外にも道内各地の土産品を並べる予定という。このほか、市内のクレープ店「絹焼包み月の雨」やパン店「エスポワール」、コンビニの「サンクス」、抹茶カフェの「白雪」が入店する。
また、3、4階に市が整備する「はこだてキッズプラザ」と「はこだてみらい館」は10月15日、地下1階と2階の商業スペースは来年3月の開業を予定している。
布村社長は先行開業の日程について「最大の目標だった新幹線の開業には間に合わなかったが、多くの人が駅前に訪れる港まつりに合わせて急ピッチで進めてきた」と説明し、「かつての和光ビルのように、多くの人から愛される施設にしていきたい」と力を込めた。(金子真人)