胆振東部地震による大規模停電を受け、燃料業者らが家庭用LPガス発電機の販売に力を入れている。停電時に住宅のLPガスタンクから小型の発電機にホースをつなぎ、照明や給湯、暖房ができるようになる。
佐藤エネルギー(函館市)は、ビアス(同)が建てた北斗市内の新築住宅のオープンハウスに合わせ、本田技研工業製の発電機を使ったシステムの展示を始めた。1台で900ワットの出力が可能で、携帯電話の充電や照明、テレビのほか、LPガス給湯器も同時に動かせるという。
50キロのLPガスで5日近く発電できる。発電機の価格はタンクとの接続機器を含めて約22万円。同社の犬島淳一常務は「家庭用の低圧ガスで発電できる機器は昨年市販されたばかり。冷蔵庫など起動時に大きな電力を使うものは難しいが、1台あれば日常生活に近い状態で過ごせる」と自信を見せる。
LPガスを導入する住宅では、戸別にボンベやタンクを設置している。品質が劣化しないため、災害時に適した燃料とされる。近年ではカセットガスを使ったストーブなどが人気を集めている。
一方、函館や北斗、七飯では購入補助などの制度がない。犬島常務は「今回の大規模停電を受け、各家庭で対応できる仕組みなので、行政による助成金制度ができてほしい」としている。
新築住宅(北斗市追分2の17)のオープンハウスは、27、28の両日開かれる。開催時間は午前9時半~午後5時。(深津慶太)