「5年間の努力と頑張りに金メダル」「池崎選手のように頑張りたい」―。東京パラリンピックの車いすラグビーで銅メダルを獲得した日本代表のエースで、函館市出身の池崎大輔選手(43、三菱商事/TOKYO SUNS)を応援しようと、池崎選手が在籍していた車いすバスケットボールチーム「ハダーズ函館元町ライオンズWBC」(山田行広代表)の選手ら6人が29日、市総合福祉センターに集まり、テレビ観戦で池崎選手を応援した。
日本がトライを決めると「ナイス」と声援を送るも、池崎選手のボールさばきに「病が進行していないか」と心配する声も聞かれた。リードを広げる展開に「油断しないで」と楽観視せずテレビ画面に見入り、勝利が決まるとようやく「おめでとう」と笑顔で拍手を送った。
山田さん(52)はメッセージアプリで池崎選手にエールを送り、準決勝前には「函館魂を見せます」と返信があったが、決勝進出を逃すと3通送ったメッセージに返信はなかったという。「5年間イケ(池崎選手)の努力を見ていたので金メダルを逃し自分も残念で、イケもかなり悔しかったと思うが、きょうは何が何でも勝つと気持ちを切り替えて頑張ったことが伝わった。銅メダルでもすごいこと」とたたえた。
また「イケが以前にプレーしていた車いすバスケに対しても注目されると思う」と、障害のある人のみならずパラスポーツへの認識への広がりを期待。「イケのスピードは日本に必要。3年後のフランス大会も金メダルを狙ってほしい」と願った。
ハダーズの安立直子マネジャー(70)は「20年前からコート上での目の輝きは変わらない。いつも周りの選手を大切にする気配りは世界一。フランスでも活躍を見せてほしい」とさらなる飛躍を祈った。選手の岩田晋作さん(函館高専2年、17)は「とても刺激を受けた。池崎選手のようにゲームの中心となり、ほかの選手を助けられるように頑張りたい」と意欲を高めた。(山崎純一)
工藤市長「市民の大きな喜び」
函館市の工藤寿樹市長は、池崎選手の銅メダル獲得を祝福するコメントを発表した。
リオパラリンピックの銅メダルに続き、東京2020パラリンピックでの銅メダルの獲得、誠におめでとうございます。コロナ禍のなかで人並みならぬ努力を続け、大変なご苦労もあったことと思います。そういったなかで2大会連続でメダリストとなられた池崎選手のプレーは、函館市民の大きな喜びであり、障がいを持つ多くの方々に勇気と希望を与えてくれました。函館に戻られましたら、大会の様子を聞かせていただければ幸いです。