プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスは21日、函館市出身の青山浩二投手(37)の引退を発表した。楽天一筋15年での決断に、関係者がねぎらいの言葉を掛けた。
函館工業高、八戸大(現八戸学院大)卒で2005年にドラフト3巡目で指名されてプロ入りし、主に中継ぎを任された。故野村克也さんや故星野仙一さんら名将のもとでブルペンを支え、13年には日本一も経験した。
17年は登板機会が17試合と陰りを見せるも、18年は52試合を投げ、防御率1・85と復活。昨季は生え抜きとして球団初の600試合達成とともに自己最多の62試合と飛躍した。しかし今季は入団以降最少の11試合だった。通算625試合42勝58敗45セーブ159ホールド、713奪三振、防御率3・67と息の長い活躍を見せた。
シーズンオフには毎年のように帰函して母校訪問のほか、小、中学生対象にした教室を開き、熱血指導。道南の多くの子どもたちに夢や希望を与え続けてきた。
前日の20日に連絡を受けた父・和雄さん(63)は「LINEが来て、『15年ご苦労様でした』と返した。名監督の教えのほか、仲間や多くのファンに温かく支えられた。自分にとっての思い出は日本シリーズの優勝。よく頑張ってくれた」と感慨深く語った。
函工高時代に野球部監督として指導した小早川賢輔さん(63)=京都市=は「一つの時代が終わったかと思うと寂しい。本人からも連絡が来たが、言葉にならなかった。20年の付き合いで、さまざまなことがありすぎて…。ここまで頑張ってくれた」と敬意を込めた。(小林省悟)