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荒井三津子さん・暮らしのパレット/「待つ時間」

 春先から喉の調子が悪かったので、甲状腺のエコー検査をしたところ、石灰化した小さい腫瘍(しゅよう)の影が見つかった。専門病院で細胞検査をしたのだが、首に針を刺すと聞いただけで卒倒しそうになった。だが、実際はわずか数秒。痛みはほとんどなかった。
 しかし、問題は検査結果を聞くまで、1週間の待ち時間の不安である。部位がどこであれ検査結果を聞く患者さんは皆同じ心境なのだろう。結果が悪かった場合、本人に告知するかしないか、昔はそんな真摯(し)な議論があった。自分なら全部知りたいか、いや知りたくないなど、人それぞれに複雑な思いがあったはずだ。だが今は有無を言わせず本人に直接知らされることが多い。
 数年前、過労でダウンした際、膀胱癌(がん)だったら困るので検査しましょうといきなり主治医に言われた時は仰天した。結果を聞きに行く足は本当に重かった。幸いことなきを得たが、結果待ちの1週間は長かった。40年近く前にも似た経験がある。乳がんの疑いがあって検査結果を待ったことがある。問題ないと分かった時は、私より先に父が涙した。勤務医だった父は当時の医療の限界を知っていて私より大きな恐怖を味わっていたのだろう。
 あと数日は待たねばならない。まな板の上の鯉の気分で札幌駅を歩いていたら大好物のみがき鰊弁当を見つけ、一気に気持ちが上がった。古里の味に救われた思いだった。(生活デザイナー)

      暮らしのパレット

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