毎年、わが家にも北海道観光のお客さまがお越しになり、何人かは宿泊する。つい先日も、次女のクラスメートが関西から2人来て、札幌の家に2泊していった。
どこに案内しようかと考えていたら、交通機関も人気の店も、SNSの時代はガイド要らず。イマドキは旅人のほうが何でもよく知っていた。なんと、旅程には札幌ドームでの日ハムの応援が組み込まれていて、ユニホームまで持参。大の野球ファンで、試合に合わせた日程にしたという。海産物を食べ歩くより、日ハム応援のほうが魅力的だったらしい。
チョコレート工場でのワークショップも、今は大人にも大人気とのことでしっかり予約していた。大通公園で開催中のオータムフェストで各地のおいしいものを効率よく味わうプランもあっぱれ。観光客の少ない古い商店街を地元人のように飲み歩くのも楽しそうだった。そういえばその前にいらしたお客さまは北大構内のパワースポット(!)で大興奮していた。かつての観光名所や有名店での食事とはかなり違う楽しみ方はどれも新鮮だった。
ところで、今回の若いお客さまたちの朝食はパン食にした。トウモロコシ、枝豆、チーズ、ソーセージ、シマエビまで全部道産品にしたが、一番喜ばれたのは瓶入りの牛乳の飲み比べだった。近年海外からの観光客を自宅でもてなす「ホームビジット」が注目されているが、こちらが予想もしないモノやコトを旅人は喜ぶらしい。観光発展の鍵はこの辺りの研究にありそうだ。(生活デザイナー)