3月26日の北海道新幹線開業に向け、JR北海道は16日未明、青函トンネル内(約54キロ)で2度目の避難訓練を実施した。同社の社員や消防関係者ら約100人が参加。北海道新幹線車両「H5系」が故障し走行不能になったという想定で、金属製の「渡り板」を使い、乗客を救援列車へ誘導する手順を確認した。
午前1時ごろに新函館北斗駅を出発した新幹線は40分後、車両不具合が生じたとして、トンネル入り口から約30キロ過ぎた付近に停車。新青森駅を出発した救援車両が同2時10分ごろに到着、徐行して停車中の列車に横付けした。その後、長さ約1・5メートル、幅約45センチの渡り板を両列車のドアの間に設置し、車掌らの誘導を受けた乗客役36人が約10分かけて慎重に移動、救援列車は新函館北斗駅に向けて運行した。
9日の訓練では送電の切り替え操作ミスによる停電で、救援車両が緊急停止する想定外のトラブルが発生したが、この日は無事に工程をこなした。同社の田畑正信常務は「予定通りしっかり行うことができた。前回のアクシデントを糧に改善すべき点は見直し、開業に備えたい」と述べた。(山田大輔)