札幌国際観光(札幌)は、函館市大手町22に建設する「函館センチュリーマリーナホテル(仮称)」について、当初の計画を一部変更して建築規模を拡大する。予定していた13階建てから15階建てにすることで、客室は50室ほど増えて約290室に拡充。2018年秋に開業する予定で、北海道新幹線開業と格安航空会社(LCC)の新規路線就航で増加する国内外の宿泊需要の取り込みを狙う。
敷地面積は5900平方メートル。既に購入済みの4000平方メートルに加え、1月下旬に隣接する1900平方メートルの土地を新たに取得したことに伴い、ホテルの容積を増やした。延べ床面積は1万4470平方メートル。
客室は約30平方メートルのツインルームがメイン。80平方メートルほどのスイートルームも用意し、最上階は温泉を引いた大浴場とする計画で、早ければ今年5月に着工する。
北海道新幹線開業を追い風として、JR函館駅前とベイエリアでは新たな宿泊施設の建設や既存ホテルの改修、増築などの動きが活発化している。大和ハウス工業東京本店は19年6月の開業を目指し、駅前市有地に地上13階建てのホテルなどを建設するほか、函館国際ホテルは、新棟の増築工事中で、完成は来年秋を予定する。
これらを含めると、市内の総宿泊収容人員は700人以上増加し、受け入れ態勢の強化が期待される一方、業界内の競争激化は必至だ。札幌国際観光の桶川昌幸社長は「函館は外国人旅行客が増加を続けていることから十分勝算がある。繁閑の差があるのは承知しており、適切な料金設定をすれば稼働率は高いまま維持できる」と話している。(山田大輔)