【厚沢部】町社の山の道南いたさか農園(板坂峰行代表)の圃場(ほじょう)で10日、越冬貯蔵したメークインの掘り出し作業が始まった。雪を利用した低温貯蔵で甘みがぐんと増したジャガイモを、3月上旬まで順次出荷する。
板坂さんは食用メークインを12ヘクタール作付け、見た目がきれいで甘くて味が濃い。農薬を減らし、土作りにもこだわり、堆肥や竹炭、魚かすなど自然由来の肥料を使う。「JGAP(ジェイギャップ)認証」も取得している。
昨秋に収穫したメークインを選別し、専用の袋に入れ、12月初旬に重機で土の中に埋め、雪の下で保存。温度は2~5度と氷点下にならず、湿度80~90%の環境で、今季は9トンを貯蔵している。
この日は、重機で丁寧に雪や土を取り除くと、袋の中からメークインが顔を出した。個人注文に応じるほか、札幌のスーパーや百貨店に出荷するという。
板坂さん(46)は「低温貯蔵すると、でんぷんが糖に変わり、糖度が上がる。塩ゆでして塩辛をのせたり、シチューやスープなど素材の味が感じられる料理で食べてほしい」と話す。
問い合わせは同農園(0139・65・6333)へ。(山崎大和)