函館はコンブの産地として道外で認知されていない―。函館大がまとめた「函館のコンブに関する意識調査」で、こんな結果が明らかになった。担当する大橋美幸准教授(社会学)は「函館とコンブをセットで知ってもらう取り組みが必要」と指摘している。
今年6~8月に、市内のイベント(7月16日の函館くじらフェスティバル)や街頭でアンケートし、760人が回答した。
コンブ産地でイメージするのはどこかを尋ねたところ、「函館」と答えた人は函館市、市外道内で多いが、道外は少ない。逆に「利尻」「日高」「羅臼」は函館から遠ざかるほど多くなった。道外に住む人は「利尻」「日高」「羅臼」がいずれも「函館」を上回った。
「函館はコンブの生産量が全国一である」ことを知っている人は、函館市が28・3%、市外道内が32・3%でほぼ同数。道外では10・5%にとどまった。「函館のコンブの銘柄はマコンブである」ことを知っている人は、函館市が24・0%、市外道内が19・5%であまり変わらない。道外は11・0%。「いずれも知らない」は函館市、市外道内とも4割で、道外は7割になっている。
函館市民に限って年代別にみると、生産量日本一、銘柄がマコンブとも40歳以上が良く知っている。いずれも知らないと答えたのは19歳以下の半数、20・30代の4割に上った。
「函館のマコンブがコンブの中で最高級品である」と聞いて、函館の食のイメージが変わるか質問したところ、函館市、市外道内、道外いずれも3割以上の人が「おいしそうに感じる」と答えた。
函館のコンブついて、現在のマコンブと、函館を加えた「函館真昆布」という名称のイメージを5点満点で尋ねたところ、おいしそうはマコンブ3・76点、函館真昆布3・90点、高級感はマコンブ3・70点、函館真昆布3・77点、素材が良いはマコンブ3・82点、函館真昆布3・87点。おいしそうはマコンブよりも函館真昆布で点数が高く、他はさほど差は見られなかった。
函館市と市内5漁協は、地元産コンブの名称を「函館真昆布」に統一しPR活動に乗り出したが、大橋准教授は「函館をコンブ産地として認識していない道外では、どちらの名称でもイメージが変わらない。知名度向上に向け、積極的なPRが重要」と提言する。(山崎大和)