函館市は日吉町4丁目市営住宅団地跡地に計画している「福祉コミュニティエリア」整備に向けた事業者選定のプロポーザル(提案型公募)を開始した。多世代交流施設や特別養護老人ホームなどの整備が条件で、約6・5万平方メートルの事業用地の最低売却価格は5億7000万円以上とした。本年度中に受託候補者を決定し、2017年度末までに介護施設を整備する。
同エリアは子どもからお年寄りまで障害の有無に関わらず、ともに支え合う地域コミュニティの形成を目指す。10月に策定した「市活性化総合戦略」で国の「生涯活躍のまち」(日本版CCRC)構想関連事業に位置付け、同構想で求められる要件を提案に含めることを必須とした。
介護施設は、特別養護老人ホーム1カ所(100床)や認知症高齢者グループホーム2カ所(36床)など6施設、223床を整備。また、民間事業者主体の多世代交流施設の整備・運営も条件で、市は整備費として5000万円、運営費に年間500万円(5年間)を上限に補助する。
同エリア南西部の事業用地に隣接する、函館工業高等専門学校教職員住宅敷地(約2000平方メートル)については、市が16年度早期に取得し事業者に売却する方針で、総面積は約6・7万平方メートルとする。同エリア南側の市道沿いは第一種住居地域に用途変更し、スーパーマーケットなど生活利便施設の整備が可能となった。
参加資格は▽事業用地を一括で購入し、基本構想を実現できる▽代表法人と構成員からなる複数法人グループ▽市内に主な事務所が所在する法人を1者以上含む-など。
プロポーザルは学識経験者と市職員による選定委員会が実施し、18日に市役所で募集要項の説明会を開催。参加申込書を来年1月25日まで、提案内容を示した応募書類は2月29日まで受け付け、3月に審査で受託候補者を決定。7月ごろ事業計画書を提出し、9月に土地売買本契約などを行う見通しだ。(蝦名達也)