市民団体と工藤寿樹市長がまちづくりについて意見を交わす「市長のタウントーキング」が24日、市役所で開かれた。函館産業遺産研究会(2011年解散)の会長として活動し、函館山要塞(ようさい)をはじめ、函館の近代産業の歴史的資料の収集、研究を進めた故・富岡由夫さんの残した資料が、市中央図書館に寄贈されることになった。
同会の元副会長の菅鉄夫さんや富岡さんの長女の冨岡裕子さんらは、同会が収集し、旧恵山小で保管されている国産の工作機械類の活用を求めた。同会会員で「函館の体験学習をすすめる白浜クラブ」代表として参加した木村マサ子さんは函館山について「函館山を歩きながら歴史の物語を体験し、街中へと(動線を)つないでいけるようにしてほしい」と要望した。
工藤市長は各産業資料は将来的に西部地区に設置する構想の「総合ミュージアム」開設時には展示すると約束。函館山の散策路整備について「市内で自然観光ができるのは函館山だけ。コース設定や自然を壊さない整備の手法についても木村さんをはじめ、現場の人たちに相談したい」と述べた。
元町商店街準備室の藤島斉さん、北見伸子さんは創刊準備を進めている西部地区の情報を集めたフリーペーパー「HAKODATE SAKARA」の紹介や同地区の現状を報告。市地球温暖化対策地域推進協議会の松原仁会長、高橋泰助副会長は二酸化炭素削減に向けて、ノーマイカーデーの推進、暖房温度を下げる取り組みなどについて意見を交わした。(今井正一)