函館市は新年度、老朽化している末広地区の港湾施設整備に着手する。金森赤レンガ倉庫群などが立ち並び、観光客が多く行き交うベイエリアの一部で、港湾緑地として改修を実施。海を眺めながら休憩したり、散策できるスポットとして整備する。
港湾事業特別会計の新年度予算案に環境整備事業費として、関連予算5700万円(弁天地区護岸整備費含む)を計上した。市港湾空港部によると、新年度は測量や設計を実施し、2017年度から3年かけて工事を行う計画。
整備場所は「スターバックスコーヒー函館ベイサイド店」の店舗横から「函館西波止場」の店舗裏に抜け、東浜桟橋(旧桟橋)の手前までのL字型になった約260メートルの区間。途中、新島襄の出国をモチーフとしたブロンズ像が飾られている。
現在は、かつての大間航路フェリーの関連施設が残るほか、護岸が老朽化しているため、一部の立ち入りを禁止している。低気圧接近時などには海水が上がることもあるという。
今後、傾斜した護岸を改修し、遊歩道を整備し、ベンチや照明灯も置く計画。石畳が敷かれている倉庫群側の道路とのイメージの連続性も考慮する。八幡坂を下った先に市民や観光客が港を眺めて休憩、散策できる場所を整備することで、西部地区とベイエリア地区の回遊性向上も期待される。今夏策定する「ガーデンシティ構想」にも同事業を位置付ける方針。(今井正一)