函館市は、冬季観光の底上げと夜景に続く新たな観光資源として「恋人たちのまち」を掲げ、動画やポスターを制作し国内外のカップルに向けたPRに乗り出す。今月には動画、ポスターを作る業者をプロポーザルで公募し、函館の魅力を広くアピールする足がかりとする。
西部地区にある真っすぐな坂道や、そこから見える港、異国情緒漂う教会群など函館独特の景観を売り込み、「カップルに似合うまち」としてイメージ定着を図る取り組み。市は本年度当初予算の観光プロモーション経費から150万円を捻出し、キャッチコピーと動画、ポスター制作業者の公募プロポーザルを実施。6月下旬~7月上旬に審査し、業者を決める。
動画では坂や教会などを2~3分間の内容で紹介。日本語、英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語の5言語に対応し、動画サイト「ユーチューブ」、市公式観光サイト「はこぶら」に投稿するほか、1000枚作るポスターとともに、旅行商談会や観光イベントに使用する。
また、12日の市議会一般質問では、西部地区の再整備に伴う坂道の整備について質疑があった。
西部地区の坂道で坂名板を設置している計19本のうち、電柱地中化やロードヒーティング化、石畳舗装などの整備を行っているのは大三坂、基坂、二十間坂、八幡坂、日和坂のみで、観光客向けの整備がされていない坂道も多い。このため、市は再整備で全ての利用者が使いやすく、歴史的街並みにふさわしい魅力ある坂道とするよう検討していくとした。小山直子氏(民主・市民ネット)への答弁。
市観光部は「函館は映画やCMに、絵になる街並みとして使われている。カップルが楽しめるような素材があるということをあらためてアピールし、恋人たちにまち歩きを楽しんでもらいたい」と話している。(木津谷夢)