国の重要文化財旧函館区公会堂(元町11)の保存修理の様子を記録した映像作品「文化遺産を守り継ぐ 重要文化財旧函館区公会堂 保存修理工事」(54分)が、東京で行われた映像作品コンクール「映文連アワード2022」(公益法人映像文化製作者連盟主催)のソーシャル・コミュニケーション部門で優秀賞を受賞した。函館市教委生涯学習文化財課は「多くの市民や観光客に保存修理の克明な記録を知ってもらいたい」と話している。
同施設は1910年に現在地に建てられ、80~82年に最初の大規模保存修理を行った。以降、観光スポットとして人気を集めていたが、長年にわたる風雪などで傷みが目立つようになったため、2018年10月から総事業費10億6895万円を掛け、耐震補強を含めた改修を実施。大広間の床を明治時代のデザインに復元するなど、建設当時に近い姿を取り戻し、21年4月に再オープンした。
今回受賞した作品は、保存修理の様子全般を収めた長時間の映像記録を、市の委託を受けた北海道映像記録株式会社(札幌市)が編集したもの。全国から160作品の応募があった中から見事、入賞32作品に選ばれた。函館からは2011年に同社が製作した箱館奉行所の復元記録映像も同部門の優秀企画賞に選出されている。
同作品のダイジェスト版(14分)は、現在同施設内で放映されており、入場者は鑑賞することができる。受賞作品は今後DVD化され、同施設内での販売を予定している。(小川俊之)