市民創作「函館野外劇」の第29回公演(実行委主催)の本公演が9日、特別史跡・五稜郭跡の一の橋広場で開幕した。2年ぶりとなった夜の舞台に約300人が来場。約1時間10分で演じられる函館の歴史絵巻を楽しんだ。
本公演では、石垣崩落を受けて使用できなくなった堀舞台で行われていた時の照明や音響を使用。コロポックルの登場から黒船来航、箱館戦争や港まつり、フィナーレに至る各シーンを、躍動感のあるダンスや殺陣が彩り、客席から拍手が起こった。
この日はプレステージとして、はこだて観光大使の平田まりさんやテーマ曲「星のまちHakodate」を手掛けた芥川賞作家の新井満さんも登場した。
NPO法人市民創作「函館野外劇」の会の里見泰彦事務局長は「演者もスタッフもお客さまも楽しめる野外劇にしたい」と話した。本公演は16、23、30日、8月6日で午後7時から。日曜の昼公演は10、17、24、31日、8月7日の午後2時から。(半澤孝平)
2年ぶりの夜公演として9日に初日を迎えた第29回市民創作「函館野外劇」本公演は、観客から至近距離で約250人のボランティア出演者が物語を展開。約70分間に函館の歴史に関する10の場面を盛り込み、照明や映像を使う華やかな演出で来場者を魅了。好評の声が続き、上々のスタートとなった。
親子4人と友人らで観劇した市内の会社員穴澤朱実さん(42)は「子どもにも分かりやすく伝わったと思う。『来年も見ようね』と話しました」と笑顔。最前列に座った市内の主婦鵜沼ワカさん(77)は「距離が近く、若い人たちの迫力に感動した。もっと市民が見に来たほうがいい」と声を弾ませた。
第3回公演から出演してきた函館どさんこファーム(東山)の牝馬「シロ」は3年ぶりに登場。同ファームの池田茂さん(63)は「久しぶりだが、いつも通りやるだけ。舞台を作っている若者たちを応援してやりたい」と話した。
照明や音響は、第27回公演から続く会場や開演時間の変更以降、最も大掛かりなもので、殺陣などの緊迫感や、箱館開港を表現するフラッグダンスで躍動感を際立たせている。舞台監督の浦田真希さん(32)は「昨年はホップ、今年はステップの年。来年ジャンプできるような舞台にしたい」と力を込めた。(半澤孝平)