「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録され、初の週末を迎えた7月31日、28日に一般公開を開始した史跡垣ノ島遺跡(臼尻町)をはじめ、函館市縄文文化交流センター(同)や史跡大船遺跡(大船町)には、待望の遺産登録をきっかけに縄文文化に触れようと多くの市民や観光客が訪れた。
オープンしたばかりの垣ノ島遺跡には朝から多くの人が来場。午前10時、午後1時と3時に行われる定時解説には各回10~20人ほどが参加した。このほか、遺跡では午前11時と午後2時には発掘体験プログラムを用意。札幌市の会社員、堀尾篤志さん(38)は娘の柑奈さん(6)と妻の洋子さん(36)と参加し、「ここまで本格的に発掘を体験できるとは思っていなかった。出土品の実物を使っているのにも驚いた」と話し、柑奈さんは掘り当てた石斧を手に「(縄文人の)魂が生きているよう」と目を輝かせた。
大船遺跡にも、復元した竪穴住居や盛り土遺構など縄文の痕跡を一目見ようと多くの人が訪れた。家族4人で遺構を見学していた市山の手3の会社員、本間敬さん(35)は「(遺跡を)子どもたちに見せたくて足を運んだ」と話していた。
31日の同センターの来場者数は216人で、7月22~25日の4連休と比較するとやや減少したという。同センターは「駐車場には市外ナンバーの車が多数止まっていた。登録をきっかけに、市外の人の関心も引き付けたのでは」とみている。(海老田暁)