函館市若松町の住宅5棟が焼損した火災で、人命救助につながる避難誘導などをしたとして、市消防本部の神林善彦消防長は5月31日、同町の斎藤純一さん(66)と妻睦子さん(61)、長女由希子さん(32)の3人に感謝状を贈呈した。
火災は4月20日午後9時ごろ、同町38の木造平屋建ての住宅から出火。斎藤さん宅をはじめ周辺の木造住宅4棟にも燃え移り、合わせて403平方メートルを焼いた。
斎藤さん家族は火元の住宅から小路を挟んで北側の住宅(1棟8戸)に住んでいて、出火当時、木がパチパチと燃える音を聞き、隣家の火事を発見。消防へ通報するとともに3人が手分けして大声で火災を知らせたり、玄関をたたくなどして避難を促した。
5棟で12人が在宅していたにもかかわらず負傷者はなく、同本部は「人命救助に匹敵する功績」と斎藤さんらをたたえた。
贈呈式で神林消防長から感謝状を受け取った斎藤さんは「当時は無我夢中で必死だった。けが人がいなかったのが何よりでした」と話していた。(鈴木 潤)