函館市の湯倉神社(伊部宗博宮司)が開発した、イカの張り子が付いたご当地おみくじ「イカすおみくじ」が、観光で函館を訪れた参拝客らを中心に人気を博している。1日にスルメイカ漁が解禁され、「イカのまち」としてますます注目が集まる中、同神社も特産品PRの一翼を担っている。伊部宮司は「おみくじで楽しい思い出を作ってほしい」と呼び掛けている。
ご当地おみくじは、伊部宮司や道内の神職有志で企画したもので、先行して同神社と根室市の金刀比羅神社が「根室福ざんまいみくじ」を頒布している。このほか帯広、稚内、苫小牧、美瑛の神社でも準備を進めており、「おみくじをきっかけに道内各地を訪れるきっかけづくりにしたい」(伊部宮司)という。
約9センチのかわいらしいイカの形をした紙製の張り子に、他の神社と同じ規格の「えぞみくじ」を添付。「一人で悩まねえで、誰かさ相談するとあずましいっけさ」などと、運勢が北海道弁で書かれている。通常のおみくじと同様に仕事運や金運などについて説明があるほか、カニや小樽運河など「幸運の北海道名物・名所」も紹介。専用の釣りざおで釣り上げて購入するユニークさも人気の一つだ。
同神社では4月下旬から発売し、大型連休中に完売。函館朝市を訪れた後に「2度目のイカ釣りだ」と楽しむ人や、土産品として購入する姿が多く見られたといい、現在は再入荷して専用の売り場を設けている。
イカすおみくじは「1匹」300円。伊部宮司は「おみくじを通じて神様との距離を身近に感じてほしい。函館のPRにもつながれば」と話している。(蝦名達也)