幕末開港から箱館戦争の歴史をしのぶ箱館五稜郭祭は、新型コロナウイルスの影響で今年も規模を縮小して開催することが決まった。5月16日のみの開催で、箱館戦争の戦没者を追悼する碑前祭と、土方歳三コンテスト全国大会を無観客で開催。維新行列・音楽パレードは2年連続で中止する。
箱館五稜郭祭協賛会(会長・久保俊幸函館商工会議所会頭)と同祭実行委員会(委員長・橋淳央函館丸井今井社長)が決めた。1970年から続く初夏最大のイベントで、5月中旬に例年は2日間の日程で開催している。コロナ禍を受け、昨年は中島三郎助父子最期之地碑、碧血碑、土方歳三最期之地碑、箱館戦争供養塔を関係者が巡る碑前祭のみを執り行った。
メインイベントとなる維新行列・音楽パレードは参加者が開港期から箱館戦争までの歴史的衣装に身を包んで行進。例年800人以上の参加があり、特に箱館戦争の戦闘シーンを再現する行啓通では、沿道には大勢の市民が駆け付ける。マスクを着用しての行進や吹奏楽演奏、沿道の混雑回避を図ることが難しいことから、今年も中止を決めた。パレードに続いての五稜郭公園内で行う開城セレモニーも取りやめた。
一方、2年ぶりの開催となる土方コンテストは、箱館戦争で戦死した土方の最後のワンシーンを演じるイベントで、例年であれば
全国各地から土方ファンの応募がある。今年は芸術ホールに会場を移し、無観客で開催。インターネット中継とケーブルテレビ局NCVによる生中継を行う。幼稚園児が出演する「ちびっこ土方発表会」は行わない。対象は16歳以上。参加費は3000円で30日まで募集している。
実行委事務局(五稜郭タワー)は「維新行列は3密の回避が難しく、中止を決めた。土方コンテストは地元からも多く参加してもらい、ぜひ盛り上げてもらいたい」としている。(今井正一)