【福島】薬師丸山神社(町塩釜)で4月30日、春の例祭が行われた。祝詞奏上を行った福島大神宮の常盤井武典宮司は新型コロナウイルスを「悪しき病」と表現し、終息への思いを込めた。
同神社は円錐上の切り立った丸山(標高308メートル)の山頂に建立され、塩釜地区の住民にとって親しみのある神社。例祭は、毎年旧暦の4月8日に海上安全と豊漁を祈願するもの。住民の多くが高齢になったため近年は参拝者が減っており、今年は6人の参加にとどまった。
参拝者は、標高差約300メートル、随所にロープが張られた急こう配の険しい参道を約1時間半かけて登り切った。町内の60代男性によると「シカの食害で山がやせ細り、年々難所が増えている感じがする」と話す。式典では常磐井宮司の祝詞奏上の後、参加者が祭壇へ玉串をささげた。
常盤井宮司は「新型コロナウイルスの感染拡大で町内でもさまざまなことが自粛されている。毎年営まれている行事が普段通りに行われることで、地域に安心感を与えたい」と話していた。(佐藤由紀彦)