函館にたびたび寄港してきたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗員を励まそうと、函館市内の港湾関係者らが滞在先にメッセージとともに菓子を贈った。贈り物には、船内で新型コロナウイルスの集団感染が確認されても、懸命に職務を全うしたクルーへの尊敬と感謝の気持ちを込めた。11日に到着したという。
同船の乗員の下船は、乗客が下船した後の2月27日から始まり、3月1日までに完了。現在は埼玉県和光市の国の施設で健康観察期間を過ごしている。函館からは先月、遺愛女子中学高校(福島基輝校長)の生徒が乗員や乗客向けに応援メッセージを送付。今回は函館洋菓子スナッフルスなどを展開する「ペシェ・ミニョン」の協力を得て「チーズオムレット」(8個入り)を30箱送ったという。
菓子は以前からクルーにも人気で、食べやすいことから選ばれた。メッセージは英語で「これ以上ない尽力に多くの日本クルーズ関係者が救われました。日本の片隅の港から、感謝の気持ちを伝えさせてください」とつづられた。
函館国際貿易センターの前野泰孝さんは「自分たちにも感染リスクが迫っている中でも、最後まで投げ出さずに職務を全うした乗員に敬意を表したかった。函館港のクルーズの活況があるのも同船のおかげ。贈り物で少しでも心が安らげば」と話していた。(小杉貴洋)