今年の漁解禁から低調が続くスルメイカが、わずかに上向いてきた。函館市農林水産部がまとめた市水産物地方卸売市場における、今月1~20日の生鮮スルメイカ取扱量は、前年同期比27%増の202トン(速報値)となり、停滞気味からの脱出への期待が高まっている。
市農水部によると、1~20日における1キロ当たりの単価は、同8%減の652円。取扱金額は16・9%増の1億3173万円だった。1~10日の取扱量は46トン(前年同期99トン)で、7月の取扱量が135トンだったことからみても、この10日間で156トンと増えたことは、関係者をひとまず安堵(あんど)させたが、依然として低水準で推移しており、表情を曇らせている。
ある市場関係者は「前浜でも少しずつスルメイカの姿が見え始めたが、数量が回復したとは言い難い。桧山海域もあまり調子がよくないようで、今後の行方を注視している」と話す。
津軽海峡海域のスルメイカ漁は前年度、8月下旬から9月上旬にかけて、局地的な漁場が形成され好調だった。関係者は不安を胸に抱えつつ、今シーズンも8月下旬以降、取扱量が増えるのを期待し様子を見守っている。(野口賢清)