函館市は2015年国勢調査の速報集計を発表した。昨年10月1日現在の市の人口は26万6117人で10年(27万9127人)と比較して1万3010人(4・7%)の減少。道内179市町村で最多の減少数だった。市総務部によると、出生数を死亡数が上回る自然減による減少人数が転出超過に伴う社会減を上回っており、少子高齢化による影響が顕著となっている。
男性は前回比6612人減少の12万434人、女性は同6398人減の14万5683人だった。1世帯当たりの平均人員は0・06人減少の2・15人となった。現在の市域で合算した人口を比較すると、今回の結果は、1947年の26万9723人も下回った。
旧市域(本庁と湯川、銭亀沢、亀田の各支所管内)は同1万1071人(4・2%)減の25万4286人。戸井は同446人(14・3%)減の2682人、恵山は同557人(15・7%)減の2996人、椴法華は同185人(16・9%)減の910人、南茅部は同751人(12・5%)減の5243人だった。東部4支所管内は減少率がいずれも2桁で、椴法華は1000人を割り込んだ。
また、減少数は、前回調査(05-10年)の1万5137人と比較し、今回(10-15年)は約2000人抑制した形だが、国勢調査で過去最多の減少数だった前回、90年調査に次いで3番目に多かった。住民基本台帳ベースで同時期の人口動態を比較すると、前回調査時は自然減約6700人、社会減約9700人だったのに対し、今回は自然減約9500人、社会減約5300人となり、減少の構造が大きく変化した。
社会減の抑制の要因としては、大規模な宅地開発や梁川町の大型マンション建設が進んだことなどを背景に、北斗、七飯への人口流出が止まり、逆に両市町からの転入が増加した。ただ、進学や就職などを理由とした15~24歳の転出超過が依然として多いという。同部の高橋良弘部長は「高い減少率ではあるが、減少理由が社会減から自然減に移行してきている。V字回復というわけにはいかないが、人口減少を鈍化させるための対策が求められている」とした。
今回調査から初めて導入したインターネットを利用した回答者は全体の29・6%、郵送による回答は51・8%、調査員による回収が18・6%だった。(今井正一)