24日に発売を予定していたが、道内のみ発売を延期していた人気作家・村上春樹さんの新作長編小説「騎士団長殺し」(新潮社)が25日午前7時に市内書店に入荷し、販売を開始した。熱心なファン「ハルキスト」達は開店と同時に書店に訪れ、並べられた新刊を次々と手に取っていた。
同書はJR室蘭線で起きた脱線事故の影響で、道内の書店のみ発売を遅延。道外では24日に発売を開始している。
村上さんの新作は2冊同時発売で、長編小説としては「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(文藝春秋)以来4年ぶり。多刊に渡る長編小説としては、「1Q84」(新潮社)以来7年ぶりとなる。
函館蔦屋書店(石川町85)では、入口から最も目立つ位置に同書を配置。文学コンシェルジュ森泰美さんは「開店と同時に訪れ、積み直すそばから手に取って行くお客様も多かった。まずは皆様の手に無事にお届けすることができてほっとしている」と笑顔。8時ごろに五稜郭町から訪れたという40代会社員男性は「ネタバレを見ないように気を付けて待っていた。時間を見つけて、ゆっくり新鮮な気持ちで読みたい」と同書を無事に手に入れることができた喜びを噛みしめていた。(伊藤 尚)