【江差】姥神大神宮祭典協賛実行委(打越東亜夫会長)は18日、今年度の「姥神大神宮渡御祭」(8月9~11日)で山車(やま)巡行を2019年以前と同様に実施すると発表した。20~22年は新型コロナウイルス感染拡大防止や、山車の引き手不足などが見込まれ中止したため、4年ぶりの巡行となる。
町文化会館で17日に開いた総会で決定した。渡御祭は370年以上続く道内最古とされる町最大の伝統ある祭り。19年3月には道無形民俗文化財に指定された。神輿渡御に続いて13基の山車が町内を練り歩き、19年は約5万8000人が来場した。
打越会長は取材に対し、「日本国中それぞれのイベントが復活している中で、これ以上休んでいればこれまでに受け継がれた笛や太鼓などの伝統が崩れてしまう。国がコロナを5類に移行したことを受け、私どもも実施することにした」と再開理由を述べた。
江差観光コンベンション協会の西海谷望会長は、「通常開催になり、将来に向け伝統が守られ、観光にも結びつくことに協会として非常に喜ばしい。多くの皆さんが4年ぶりの巡行を楽しみにしながら、江差に来てもらえることに期待している」と再開を歓迎した。
昨年度までの高校在学中3年間は巡行に参加できず、江差中在籍時に結成した同級生6人グループ「江差防衛隊」で祭ばやしを町内外で披露していたグループリーダーで、この春から町役場職員の辻隆人さん(19)は「待ちに待っていた。今年から大人と同じ役を担当することになり、4年ぶりでいつも以上に多くの人が町に帰ってくると思うので、とても楽しみ」と胸を躍らせていた。(入江智一)