函館市と市内8高等教育機関でつくる「キャンパス・コンソーシアム函館」(会長・星野立子道教育大函館校キャンパス長)は21日、10年目を迎えた合同公開講座「函館学」の本年度の最終講義を函館高専で開いた道内一の生産量・生産額を誇る知内産ニラの可能性について、函館高専の清野晃之(てるゆき)准教授が語った
知内のブランドニラ「北の華」は葉幅が広く肉厚で、甘いのが特長だが、出荷に向け、葉や茎はカットされ廃棄されてしまうこの部分に着目した清野准教授は「栄養分があるのに、捨てるのはもったいない現在、(函館高専と連携協定を結んでいる)知内町と有効利用に向けて動いている段階ニラの廃棄部分を分解し、スープの素や食品添加物などに応用できないかと模索している」と話した
また、清野准教授は九州大大学院農学研究院の小名俊博准教授との共同研究で、ニラに抗がん効果があると世界で初めて科学的に証明しており、この研究について紹介北の華の廃棄部分から抽出した成分をヒトの肝臓がん細胞に投与したところ、臨床実験と同様の濃度でがん細胞を弱らせる効果があると分かったという
今後の展望については「ニラの中から抗がん効果を示す成分だけを抽出して評価を行い、医薬品や健康食品の開発につなげていけたらと考えている」と語った
終了後には、今年6月から始まった全6講座のうち、4講座以上を受講した56人に修了証書が贈られた(稲船優香)