道南スルメイカ漁が1日に解禁され、函館漁港から多くの小型イカ釣り漁船が今季初めての漁に出た昨年に比べて群れの北上が早く、魚体も大きいとの予測が出ており、漁業者は期待を込めて松前沖の漁場に向かった
午前9時前から氷などを積んだ船が続々と出港日本海側の来遊が早く、道南以南の漁場での漁模様が良いということで「早く釣りたいと張り切る人が多く、例年より出漁時間が早まった」(函館市漁協)市漁協所属の20隻と銭亀沢漁協所属の3隻が松前小島付近で漁を行い、2日早朝に初水揚げする
佐藤豊次さん(65)は「漁模様のいい情報が入ってきており、楽しみにしているただ、燃油代が高いままなので経費が掛かるのが悩み」と話した田原正明さん(55)は「期待と不安が半々序盤の漁模様が良いという研究者もいるが、やってみないと分からない」と複雑な表情を浮かべた
市漁協によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月から据え置いて1リットルあたり74・7円(税別)昨年同期(98・2円)の異常な高値からは低下したが、依然として高い水準で「せめて60円台になれば」(同漁協)との声も
道総研函館水試の澤村正幸研究主査は「昨年より群れの北上は早いだろうまた、津軽海峡内の表面水温が平年より1~2度高いので、日本海を北上し太平洋側に抜けるイカが多くなる可能性があり、その場合は例年より早く函館の前浜で漁獲ができるのではないか」としている(山崎大和)