英国の豪華客船「クイーン・エリザベス」を保有する「キュナード・ライン」は、昨年の同船乗客への通訳ボランティアや船内での吹奏楽の公演への感謝を込め、遺愛女子中学・高校(福島基輝校長)に同社の記念品を贈った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で函館港への客船入港再開のめどは立っていないが、記念品の贈呈に生徒は「客船ボランティアができなくても記念品を通じてつながりがあるのはうれしい。今はとにかくウイルスの収束を願いたい」と声をそろえる。
同校では2007年から函館港へのクルーズ客船入港時に乗客を日本文化体験などでもてなすボランティアに取り組んでおり、昨年は同校吹奏楽局がクイーン・エリザベスの船内で演奏を披露。今春も通訳ボランティアとともに演奏を予定していたが、ウイルス拡大で寄港中止が決まった。
局員で英語科3年の天野ほのかさん(18)は「演奏やボランティアができず、本当に残念だった。今年度は活動がなかったことで、多くの人が函館を訪れ、にぎわっていたんだと痛感した」と振り返る。
記念品は同社の客船の写真がプリントされた付箋約2000部、はがき約800枚、ぬいぐるみなどで、客船ボランティアに関わった生徒を中心に配布された。同科3年の越前彩さん(18)は「実際に入港できるまでこうした交流が続いてほしい。後輩たちには今年できなかった分も頑張って活動に取り組んでほしい」と思いを託す。(飯尾遼太)