【北斗】チーズ作りで出るホエー(乳清)を魚臭の低減に有効活用し、ブリの缶詰製造に取り組んだ函館水産高校水産食品科の3年生6人が、今月13日に山口県長門市で開かれた全国水産・海洋高校生徒研究発表大会に北海道代表で出場し、奨励賞を受賞した。
11月に小樽市で開かれた道高校水産クラブ研究発表大会で最高位の優秀賞を獲得し、出場権を獲得。全国大会は国内各ブロックの水産、海洋系の8校が出場し、日頃の研究成果を発表した。テーマは「乳ホエーで魚臭さを少なくできるか」。課題研究授業の一環で4月から取り組んだ成果をまとめた。
道立総合研究機構食品加工研究センター(江別市)の研究では、ホエーに魚を漬け込むと特有の臭みの原因となっているトリメチルアミンをマスキング(包み隠す)する働きがあることが分かっている。同校では、ホエーの調達は大野農業高校に協力してもらい、余った分を譲り受け、試作を重ねた。
缶詰製造の段階で、試食アンケートを行い、ホエー漬けによって臭いの低減を実証できたほか、魚の肉質を柔らかくする効果やカズノコの漂白に使用できることも分かった。
全国大会でスピーチを担当した垣本莉瑚さん(18)と伊藤香乃さん(17)は「子どもたちに臭いを気にせずおいしく魚を食べてほしいと取り組んできた。全国大会では私たちの活動をアピールできた」と話していた。(鈴木 潤)