函館国際水産・海洋都市推進機構(石尾清広代表理事)は13日、韓国釜山市の国立釜慶(プギョン)大学校水産科学研究所(南澤正=ナムテクジョン=所長)と連携協定を結ぶ。同機構が海外の大学と協定を締結するのは初めて。研究者の交流やフォーラムの開催、共同研究などを目指す。
同機構の嵯峨直恆機構長と南所長は海藻研究を通じて知り合い、南所長が今年、市国際水産・海洋総合研究センターを訪れた際に、協定締結を提案。4月からは韓国人の申東煥(シンドンファン)さんが機構の連携研究員補佐に加わり、両者の間を取り持って準備を進めてきた。
函館国際水産・海洋都市構想では「国際的な水産・海洋に関する学術研究拠点都市を形成する」とうたっており、個々の研究者レベルでみると国際交流は進展しているが、組織としては交流になかなか結びついていなかった。
釜慶大学校は、韓国の水産・海洋研究をリードする名門で、独自の水産科学研究所を持ち、水産養殖と環境技術、水産加工技術と流通、水産・海洋政策など多岐にわたる研究活動を展開している。
当日は同センターで調印式を行い、石尾代表理事と南所長がサイン。記念講演として嵯峨機構長、南所長、北大北方生物圏フィールド科学センターの宮下和士教授がそれぞれの研究内容を紹介する。使用言語は日本語。
市企画部国際水産・海洋都市推進室は「釜慶大学校は海藻分野の研究が盛ん。函館も海藻研究に関し多くの知見を有しており、得意分野を生かして成果を生み出せれば」と期待を込める。
調印式(午後2時半)、講演会(同3時)とも一般市民も参加できる。事前申し込みが必要。申し込みは同機構(0138・21・4700)へ。(山崎大和)