今年で10回目の節目を迎える「はこだて国際科学祭2018」が8月18日から9日間、五稜郭タワーをメイン会場に函館市内などで行われる。テーマは「『環境』から函館の幸せを考える。」。7月21日から8月12日までプレイベント、9月には理化学研究所(埼玉県、理研)による講演会など目白押しの34プログラムで、記念回を盛り上げる。
子どもから大人までが科学と社会の関係について考えるきっかけにしてもらおうと、2009年に始まった。函館の高等教育機関などで構成される「サイエンス・サポート函館」(代表・美馬のゆり公立はこだて未来大教授)の主催。環境、食、健康の話題を年替わりで取り上げている。
今回は1月にあったキックオフイベントで関心が高かった“防災”にも重点を置く。8月18日は五稜郭タワーでオープニング講演会「サイエンスダイアログ 野外に出よう!命を守る森の研究」と題して、防災機能を持つ海岸林の研究に取り組む道立総合研究機構林業試験場道南支場の鳥田宏行支場長が対話型の講演を行う。サイエンスライブではロシア発祥の電子楽器「テルミン」と、本紙連載中「レッツトライ理科実験」の渡辺儀輝さん(立命館宇治中学・高校教諭)によるサイエンスショーもある。
会期中の土・日曜は五稜郭タワーアトリウムに「科学屋台」が登場し、作曲や折り紙飛行機づくり、土の吸着能力などを知る体験スペースも用意。テーマに関連したパネル企画展もある。プレイベントでは、函館マリンフェスティバルを皮切りに主に夏休みの子ども向けの企画を展開。9月9日には市内のホテルで理研に所属する科学者2人が講話する。
期間中のトークイベントは基本的に、音声を視覚化するアプリケーション「UDトーク」を使ってリアルタイムで字幕を視聴することもできる。美馬代表は「年齢に関係なく科学を楽しめるイベントがたくさん。新たな発見をしてもらいたい」と来場を呼び掛ける。詳しい内容やプログラムの申し込みは科学祭ホームページ(http://www.sciencefestival.jp/festival/)で確認できるほか、公立はこだて未来大内にある主催団体事務局(0138・34・6527)にも問い合わせできる(平日午前9時から午後5時まで)。(小杉貴洋)