子どもと青函の海を題材に、大学生が作成した旅行プランを発表する「海洋観光大学東日本キャンパス教育旅行研究大会」(実行委、日本財団主催)の本選が10日、函館大学で開かれた。書類審査を通過した7チームが学生の視点で魅力ある素材を発掘。最優秀賞は、函館大のチームが獲得した。
海洋観光大学は、子どもたちの海に対する愛着を育むと同時に、自然と生活の関わりを学ぶ教育旅行を生み出す仮想の大学。昨年広島県で「瀬戸内キャンパス」としてスタートし、初めて他地域で行った。
出場したのは、函館大や道教育大、北大、長野大など7チーム。実地調査を行った上で着地型観光のプランを作成し、成果を持ち時間25分で発表した。独創性や集客力、教育効果、実現可能性などを基準に、函館国際観光コンベンション協会の高田悟理事ら6人が審査した。
函館大は、青函の2つの遺跡を巡りながら、縄文時代から今日まで、海が青函交流を支えてきたことを学ぶ内容。南茅部の大船遺跡や青森の三内丸山遺跡での劇の鑑賞、縄文時代から伝わる「ベンガラ染め」のTシャツ作り、「シーグラス」を使ったアクセサリー作り体験などを盛り込んだ。
発表した学生は「アクティビティーを通じ、人とのつながりが深められる。『北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群』の世界遺産登録への足掛かりにしたい」と力を込めた。
優秀賞には北大水産学部、青山学院大が選ばれた。入賞したプランは、JTBなどが商品化に向け検討する。(稲船優香)