函館朝市に近海を模したミニ水族館が出現―。はこだて海の教室実行委(会長・菅原雅仁十字屋社長)は7月15日から、函館朝市えきに市場「いか釣堀広場」に大型水槽4基を設置する。子どもに国内屈指の「海の街・函館」を身近に感じてもらうのが狙いで、朝市の魅力づくりの一環。日本財団(東京)が推進する「海と日本プロジェクト」の採択を受けた。
大型水槽4基(幅120センチ×高さ60センチ)は、それぞれテーマを設定。対馬暖流水槽は、江差方面のメジナやホンベラ、イシダイ、マアジ、ウミタナゴなど暖かい海にすむ魚種を展示する。函館市南茅部沖を流れる親潮水槽はクロソイ、エゾメバル、ホッケ、ヒラメなど冷たい海の魚たちがそろう。北斗市七重浜に面した砂地水槽はマガレイ、マハゼ、アナゴ、トラザメなど砂泥帯の魚が中心。函館市志海苔町の岩礁水槽はニジカジカ、クロソイ、アイナメなど岩場で暮らす魚種を集める。いずれも地元漁業者の協力を得て採集する。イベント終了後も常設展示する考え。
また、朝市の5カ所に小型水槽(幅60センチ×高さ30センチ)を設置。えきに市場の既存いけすに解説板を設置し、展示水槽に見立てる。7月15日~8月15日には、小学生を対象に小型水槽5カ所を巡るクイズスタンプラリーも実施予定。
このほか、6月16日~9月14日に、海に関する子ども向け9講座を延べ12回開催(4、5月は開催済み)。全て無料で、小学生計200人の参加を見込む。
函館は水族館がなく、子どもが海に親しむ機会があまり多くない。菅原会長は「子どもたちと海の接点を生み出す機会としたい」と期待を込める。函館駅二商業協同組合の藤田公人理事長は「朝市に足を運び、魚と触れ合うことで魅力アップにつなげたい」と話す。(山崎大和)