函館市元町公園を舞台に世界各国の団体がパフォーマンスを繰り広げる「はこだて国際民俗芸術祭」について、主催者のワールズ・ミート・ジャパン(イアン・フランク、ソガ直人代表理事)は6日、今夏も海外アーティストの招へいを断念すると発表した。世界各国間の移動制限がいまだに続くなど、新型コロナウイルスの影響が長期化しているため。同団体は代替となる新たなイベントの検討を進めている。
同芸術祭は2008年にスタートし、夏の野外フェスティバルとして定着。昨年の第13回はコロナ禍によって初めて海外からの招へいを断念し、元町公園での開催ができなかった。14回目の今年も8月5~11日に同会場でのイベント開催に向けて、世界24カ国30組超のアーティストと連絡を取りあってきた。
しかし、依然として日本を含む各国で出入国の制限などがあり、アーティストが来日するための手続きを進めることが難しい状況が続いており、仮に実施できた場合でも開催中の感染防止対策やボランティアスタッフへの負担増を考慮し、今夏の招へいを断念した。同時開催の各国の料理などが集う「もぐフェス」などの開催も見送る。
一方で、昨年夏には五稜郭公園の堀のボート上でパフォーマンスを繰り広げる「モーツ・アート」、秋には七飯町の道の駅なないろ・ななえで「どこでも芸術祭」と題した新形式のイベントに取り組んだ。今年も同様のイベントやオンライン形式の取り組みができるよう検討中で、夏前をめどに発表したい考えだ。
同団体事務局は「2年間通常開催できないのは長いが、来年に向けて力を蓄え、今から第15回の準備を始めようと頑張っている」としている。(今井正一)