函館市北洋資料館(五稜郭町)は東京、札幌でオリンピックが開かれた1964年と72年にスポットを当てた写真展「北洋の街・函館風景1964&1972 特別写真展」を同館で開いている。青函連絡船上で行われた聖火の引き渡しや、北洋漁業の出港風景など46点の写真パネルで紹介している。
北海道写真資料保存会や市民から提供を受けた写真を展示。このうち、東京五輪があった64年は、市内では聖火が同9月15日に五稜郭駅に到着。市内でリレーがあり、同17日には連絡船「津軽丸」の甲板上で青森へと受け継がれた様子が展示されている。
五輪関連以外にも港まつりの様子や、市内を走る旭川ナンバーの観光バス、大森浜に打ち上げられたクジラ、独航船の出港風景などかつての函館を知ることができる。また、同保存会所蔵の函館の写真の一部はスライドショーに編集して、館内で上映している。
64年の聖火リレーなど自身が撮影した写真を提供した谷地頭町の兼子義雄さん(78)は「昭和30年代の函館はどこもぼろ家だらけで、それが当たり前。車も多くなく人が歩く時代だったから活気にもなっていたんだろう」と話していた。
11月8日まで。一般100円、学生50円。問い合わせは同館(0138・55・3455)。(今井正一)