道南の駅舎やギャラリーなど約15会場で展開する芸術祭「はこだてトリエンナーレ みなみ北海道を旅する芸術祭」(実行委など主催)が、6月28日から7月21日にかけて函館市、北斗市、木古内町で開かれる。道南ゆかりのアーティスト約30人が作品を寄せ、道南をアートで彩る。
同芸術祭は3年に1度の祭典として、2009年に函館開港150周年記念として初開催。今回は、北海道新幹線と道南いさりび鉄道の開業から3年3カ月3日目、函館開港160周年の貿易記念日に合わせて開幕する。
今回は夏の色として「緑色」にちなんで開催。函館市では、弥生町のギャラリー三日月や末広町のはこだて工芸舎のほか、時任町のカフェ「プランタール」など7会場に作品を並べる。
北斗市では、北斗星広場、上磯駅や清川口駅の駅舎内など6会場に作品を展示。渡島当別駅では、函館在住の画家、ささきようすけさんが開催するワークショップを受講した石別中学校の全校生徒が、地元の砂浜で流木を拾い集めてつくった作品を展示する。木古内町は、木古内駅や「いかりん館」、同町役場内の町長室もギャラリーに変貌(へんぼう)する。
神奈川県の鉄道写真家、衣斐隆さんや七飯町の立体作家、玉山知子さんらが参加。道内外から幅広いジャンルの作家が出展する。実行委の紀あささんは「道南を訪れた人がもう一度旅をしたくなるような祭典にしたい。地元の人にも、もっと道南を好きになってもらえたら」と願いを込める。
函館在住の作家、石川潤さんは期間中、函館の夏をイメージした道南いさりび鉄道の緑色のキハ40系車両「夏木立」内全体を作品で彩る。同社経営企画部の勝又康郎専任部長は「道南の芸術文化の発展や地域の活性化につながってほしい」と語る。
実行委は、広告宣伝費や作家の滞在費などに充てるためのサポートグッズとして、切符を模したお守り(矢不来天満宮で祈祷済)を1000円で販売している。また、共に祭典を盛り上げるボランティアを募集している。申し込みや芸術祭の詳細はホームページ(http://shinhakodate.com/2019/)へ。(柳元貴成)