ドクターコラム／アルファ皮膚科クリニック院長　山田透さん

　ヘルペス！！

　ヘルペスと言えば、一般に体に広く出来る帯状疱疹と口唇の周りや外陰部に小さく出来る単純性疱疹を指します。どちらも共通する症状は痛みです。今回は小さく出来る単純性疱疹について書きます。風邪や胃腸炎などで体調が悪い時に口唇辺りにプチッと痛みのある小さな紅い水疱が出来る方は結構多いと思います。出る前触れを感じる患者さんも多いでしょう。これは単純性ヘルペスウイルスによって発症します。ウイルスは頭の中にある神経の固まりに潜んでおり、体の免疫機能が落ちると出てきて活動し悪さをします。たちの悪いことに生涯に渡ってウイルスは潜伏しています。前述したようにストレスや疲労、日光を浴びた時は注意が必要です。
　また、厳密には原因のウイルスは違いますが、外陰部にも同じような症状が出現する場合もあり、これは単純性ヘルペスウイルスに感染している相手との性行為によって発症します。症状は局所だけでなく、下肢や外陰部や臀部の不快感を訴える患者さんも多いのです。
　治療は特効薬があり、かなりの方が使用なさっています。外用剤もありますがやはり内服剤の方が効果も早く発現します。できるだけ早期に治療しましょう。さらに予兆を感じたら皮疹が出る前にすぐに飲んでしまうという使い方も最近出てきました。また、繰り返す外陰部ヘルペスで憂鬱な生活を過ごしている患者さんには予防投与も出来ます。これは少量の薬剤を毎日内服していただくというもので大変効果があります。
　さて、便利な薬なのですが、副作用もあります。腎臓の機能の悪い方はその量を減じなければなりません。めまい、ボーッとする、意識が遠のくなどの症状は注意です。毎日の生活でストレスをためず、規則正しい生活を送ることが発症を抑えられるということも忘れずに。
（ハコラク　２０２０年７月号掲載）

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略歴
昭和５２年、北里大学医学部卒業、北里大学病院、自治医科大学附属病院、函館五稜郭病院勤務を経て、平成２７年、アルファ皮膚科クリニックを開院。

アルファ皮膚科クリニック
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■診療科目／皮膚科
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