世界でも珍しい巨大な石灰華ドームを間近に望む
明治時代から人々が憩う山間の湯治宿
JR長万部駅から車で約30分。明治初期に発見されたとされる「二股らぢうむ温泉」は、細胞の活性化や血行の促進など、さまざまな健康効果が期待される放射性物質の一種、ラジウム成分を微量に含む温泉が湧く、源泉かけ流しの湯治宿。古くから療養を目的に人々が集い、2001年に改装した建物には57部屋の客室を用意。利用者の大半は1週間から1カ月滞在する長期宿泊者で、何十年も通う日帰り入浴客も多く、施設スタッフの家庭的なもてなしも相まって、観光旅館とは趣きの異なる穏やかな雰囲気が漂う。
1日に何時間でも飽きずに湯に浸かれるよう、混浴の大浴場や水深120㎝の立ち湯、低温の温泉プールなど、複数の浴場を完備。露天風呂から間近に望む黄土色の大岩は、温泉水に含まれる炭酸カルシウムが長い年月をかけ沈殿、堆積した「石灰華ドーム」と呼ばれるもので、世界でもアメリカのイエローストーン国立公園のマンモス温泉群とここでしか見られず、1965年に北海道の天然記念物にも指定されている。雄大な自然の力に圧倒されながら、白い湯花が咲くにごり湯にゆっくりと浸かれば、人里離れた山奥にありながらも全国から人が訪れ、平日もにぎわう理由が実感できる。
(ハコラク 2023年2月号掲載)
二股らぢうむ温泉
長万部町大峯32
☎01377‐2‐4383
無休 P有り
日帰り入浴/7:00~18:00
※季節により変動するため要確認
大人(中学生以上)1,100円
子供(小学生)500円
幼児無料