紀元前の豊かな暮らしをイメージさせる
海を見渡す丘の上の縄文遺跡
1975年、北海道唯一の国宝「中空土偶」が発見された南茅部地域。国指定の史跡「大船遺跡」は、1996年に行われた発掘調査により、縄文時代中期の大規模な集落跡が確認された。100軒近く発見された建物跡は規模が大きいことが特徴で、大型竪穴建物跡は深さ2m、直径10mを超える。またクジラやオットセイの骨、クリなど、当時の豊かな自然や食生活をうかがわせる出土品も多く、遺跡内では竪穴住居や盛土遺構を復元した「縄文のにわ」や当時の植生を再現する「縄文の森」を見ることができる。4月20日からは管理棟が開館し、南茅部地域の縄文遺跡に関するパネル展示を自由に見学できるので、清々しい海を見下ろす丘の上で、縄文ロマンに思いを馳せたい。
(ハコラク 2020年5月号掲載)
【大船遺跡】
函館市大船町575‐1
管理棟9:00~17:00
4月20日~11月12日の間は毎日開館
P有り
問い合わせ/函館市縄文文化交流センター
☎0138‐25‐2030