旧尾張藩主の徳川慶勝が、理想郷の建設を願い
『古事記』の中の和歌にちなんで命名した八雲町
噴火湾側には東蝦夷地開拓の足跡が各所に見られる
■山越諏訪神社
1878年、尾張徳川家17代当主・徳川慶勝が、明治維新で仕事を失った旧家臣のために開拓を指示したとされる八雲町。かつては山越内と称され蝦夷地だった現在の八雲町山越は、江戸幕府の直轄地になった1799年頃から、多くの人が住むようになり、1801年には日本最北の関所「山越内関所」が置かれ、警備上重要な土地とされた。この関所跡を示す石碑に並び立つ「山越諏訪神社」は、1807年に住民の氏神として、また漁業の繁栄を願い創建された由緒ある神社。現在は境内を横断するようにJR函館本線の線路が敷かれているため、跨線橋を渡って参拝する珍しい造りになっている。
八雲町山越201‐1
☎0137‐64‐2814
P有り
■山越駅
JR「山越駅」は、1861年に廃止された山越内関所の外観をイメージして建てられ、駅舎内には江戸時代に描かれた山越内関所周辺の絵図やそれをミニチュアで再現した模型が展示。敷地内に設置されたトイレも和風の造りに統一され、歴史巡りの気分を盛り上げてくれる。
八雲町山越241
☎なし
■噴火湾パノラマパーク
「噴火湾パノラマパーク」は、〝すてきな風景と出会う、体験と交流の丘〟として2006年にオープンした道立公園。噴火湾を一望する広々とした丘陵の上に、天候に左右されずに遊べるキッズアリーナや絶好の景色を眺めながら食事ができるカフェがあるビジターセンター「パノラマ館」、地域の観光情報や特産品を扱うアンテナショップ「八雲町情報交流物産館丘の駅」など、子供も大人も楽しめる施設が揃う。高速道路八雲パーキングエリアが隣接し、ドライブ途中の休憩スポットとしても重宝されている。
八雲町浜松368‐8
☎0137‐65‐6030
10:00~18:00
月曜定休
(月曜が祝日の場合は営業し、翌日休み)
P有り
(ハコラク 2023年10月号掲載)