函館市教委は、2022年度から市の直営に切り替える方針だった市立函館博物館郷土資料館(旧金森洋品館=末広町)について、来年度も現行の指定管理者制度を継続する方向であることを明らかにした。6月の定例市議会に来年度の管理委託料808万円(限度額)を債務負担行為として計上する。
同資料館は1880(明治13)年に「金森洋物店」として開業。1963年に道指定有形文化財に指定され、2006年から指定管理制度で運営している。しかし、展示スペースに限りがあることなどから大規模な展示が難しく、17~19年度の年間利用人数は7000人台で推移している。
市教委は、4月に開かれた市博物館協議会で、運営方法の変更や入館者が少ない11月~4月の休館を検討していることなどを報告。同協議会から「冬場の閑散期も集客が見込める土日祝日は開館すべき」などの意見が出されたことから、運営方針を再検討することとなった。
指定管理者制度の延長は1年間を予定。市教委では「建物自体が貴重な文化財なので、保存管理体制を維持しながら、より有効な施設の運営方法について、時間をかけて検討していきたい」としている。(小川俊之)