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函館渡辺病院の水関医師、写真エッセー集「運と縁」出版

 函館渡辺病院の循環器内科医師、水関清さん(66)がこのほど、写真集「運と縁」を出版した。写真とエッセーからなり、函館市医師会の会報に毎月掲載している作品に書き下ろしを加えた210編超を収録。函館近郊で撮影した動植物や街の風景を中心に、日常で得た小さな感動を重ねた。
 医師会の会報で日々の暮らしの何気ない風景や気になったものを収めた表紙原稿を担当するようになって今年で10年目。モノクロでの掲載のため、カラーで見たいという意見や本を出すことを勧める声があったという。当初は還暦を迎えた頃に、周囲への感謝の気持ちとして小冊子にして配布しようと計画していた。
 医師として勤める一方で、文芸、創作活動にも力を注ぎ、市民文芸への投稿も10年となる。2013年度には石川啄木の日記や書簡を医師の観点から読み解き、啄木の病状、死因を探った評論「啄木の診断書」で大きな反響を得たという。また、3月に完成した函館の文芸同人誌「視線」の最新11号では、コロナ禍の状況を反映させた詩「あわいの桜」、啄木の詩歌論、童話など幅広い作品が掲載されている。
 今回、「運と縁」に収めた写真はこの20年ほどに撮影した函館近郊の身近な風景が中心で、文章では関連する地域の歴史に触れることも多い。北斗市の旧久根別川と大野川の合流部分にある水門の写真には、幕末の箱館で医学所を開き、河川改修によってし尿処理の問題や農業振興などを図った医師、栗本鋤雲(じょうん)について書き、医療を超えた広い視野を持った先達をしのぶ。
 また、「桜紅葉(さくらもみじ)の頃」と題した一編は、渡辺病院敷地内で撮影した紅葉したサクラとともに、啄木が旧制盛岡中学時代の情景を詠んだ短歌「西風に 内丸大路の桜の葉 かさこそ散るを踏みて遊びき」を引用し、秋の光景をつづった。
 啄木が短歌に込めた「いのちの一秒」を愛惜した気持ちを重ね、身近で小さな感動を大切にしているという水関さんは「函館の持つ古い歴史はよそから買ってくることはできない。この街には底力がある気がしています」と話している。
 A5判、250部発行し、2300円で三省堂書店函館営業所川原店で販売している。(今井正一)

      4月13日











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