水虫には適切な対応と治療を
「足の皮がむけたりジクジクする」「足がカサカサする」「爪が白く濁る」などの症状はありませんか?もしかしたら水虫かも知れません。水虫は白癬菌というカビが原因の皮膚病です。診断は皮膚科で顕微鏡検査を行うと数分で結果が出ます。水虫の治療は塗り薬を足全体に1日1回、最低1カ月塗ることが必要です。かゆい場所だけに塗ったり、かゆみが止まったために途中でやめてしまうと充分に良くなりません。そもそも水虫はかゆくないことが多いのです。爪の水虫もある場合には飲み薬を併用するのが一般的です。これは肝臓の機能に異常がある方は使えないのですが、近年は従来より有効性の高い爪水虫用の塗り薬もあります。また、水虫のお薬自体にかぶれてしまう方がいます。その場合はかぶれを治療した後に、別の成分の水虫薬に変更します。
水虫の菌は足に付着してから24時間以内に洗うと取れるのですが、皮膚の中に入ってしまうと洗っても取れません。温泉やスポーツクラブなど多くの方が素足で歩く場所に行った後は家に帰ってから足を洗うことをおすすめします。また家族にうつさないためにはスリッパを共用しない、足ふきマットはこまめに洗うなどの対応が必要です。
水虫の菌は手や股、体、頭などに感染することもあります。この場合、湿疹用の薬を塗ると、かえって悪化することがあります。水虫は放置すると雑菌が入って足がはれたり(蜂窩織炎)、爪水虫の場合は歩きにくくなるなど、生活に支障を来たす場合もありますし、他人にもうつしてしまうかも知れません。水虫によく似た別の皮膚病もあり、その場合の治療法は水虫と異なります。
いずれも放置しても良いことはありませんので、気になる症状がある方はお早目に検査、治療を受けることをおすすめします。
(ハコラク 2020年10月号掲載)
略歴
愛媛大学医学部医学科卒業。同大学医学部附属病院、東邦大学医学部附属大森病院、昭和皮膚科クリニックなどの勤務を経て、平成18年3月、みなとまち皮膚科菊地医院開院。日本皮膚科学会皮膚科専門医。
みなとまち皮膚科菊地医院
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