1年の折り返しとなる6月30日、函館市などの神社では、半年間の無事を感謝し、残り半年間の安全を祈願する神事「夏越しの大祓(なごしのおおはらえ)」が執り行われる。各神社の境内には神事で使用するイネ科の植物を束ねた「茅(ち)の輪」が設置され、参拝者が輪をくぐりながら無病息災を祈っている。
〇…湯倉神社(湯川町2、伊部宗博宮司)は30日午後3時から、同神社境内で、茅の輪くぐりのほか、神職による大祓詞奏上や心身のけがれを紙でつくった人形(ひとがた)に移す神事などを執り行う。20日には、本殿前にススキを束ねてつくった高さ約2メートルの茅の輪を設置した。
当初、新型コロナウイルスの感染拡大により、神社関係者のみで執り行う予定だったが、国の新たなイベント開催に向けた指針を受け、マスク着用や一定の距離を保ってもらうなどの感染対策を講じた上で、市民の参列も受け入れることとした。
伊部宮司は「いまも新型コロナウイルスが国内外で猛威を振るっているが、自身や家族、周囲の人たちの安全を祈る気持ちで神事に参列していただきたい」と呼び掛けている。(金子真人)
〇…函館乃木神社(乃木町5、松崎睦彦宮司)は30日午後4時から、夏越しの大はらい神事を同神社境内で執り行う。今年は新型コロナウイルスの終息を願い、同神社では夏場は初となる茅の輪を設置。多くの参拝を呼び掛けている。
同神社では茅の輪は12月31日の大はらいに合わせて設置してきた。新型コロナの流行もあって疫病退散と無病息災の願いを込めて、神社の役員らがスゲでつくり、5月上旬に設置。立秋前日の8月6日まで置く。
神事は屋外で執り行い、参列者には東京都港区の乃木神社でおはらいをした茅の輪をかたどったお守りを与える。松崎宮司は「中止も検討したが、このような時だからこそ神事をきちっと執り行いたい。外での神事となるが、ソーシャルディスタンスも守りながら行う」と話している。
初穂料は1家族3000円より。問い合わせは同神社(0138・51・4818)へ。(今井正一)