【知内】町元町の雷公神社(大野格宮司)で17日、「おっぱい祭り」の別名で知られる「十七夜講」が行われた。米粉を湯で練って乳房型にかたどった「おしとぎ」を神前にささげ、今年一年の家内安全や健康を祈願した。
祭りは、雷公神社の祖、了徳院重一の妻、玉之江を葬った場所(現在の知内公園内)に植えられたと伝えられる「姥杉」ゆかりの神事。宮司以外は女性だけで行われる。
今年は午前8時半ごろから町内の女性たち6人が集まって祭りの準備をし、おしとぎを神前に供えた。午後2時からは町内外から女性たち約30人が集まり、神事が行われた。町森越の主婦、田中恵里香さん(31)は知内幼稚園の”ママ友”2人と子どもたちとともに参拝。「前厄の厄払いと、家族の健康を祈りました」と話した。
祭りの後、おしとぎは氏子の女性たちがお神酒をかけて細かく崩し、別に用意した小さなおしとぎの上に乳首を模して載せ、参拝者に配った。氏子の一人で大野宮司のおばにあたる中村ツヤさん(94)は「祭りに関わって40年近く。今年も一日でも長く元気でいられるよう、願いと感謝をこめておしとぎを作った」と話した。(神部 造)