丸井今井函館店(本町32、橋本弘昭店長)は21日、末広町から現店舗に移転してから50周年を迎えた。国の重要無形民俗文化財「松前神楽」で節目を祝い、獅子舞が来場客の頭をかんで無病息災を祈った。
同店は1892(明治25)年に呉服店としては函館で開業。1923(大正12)年、末広町にコンクリート造の店舗を構えていたが、69年に近郊で宅地造成が進んでいた五稜郭地区へ移転。地下1階・地上7階建ての店舗で営業を続けてきた。
同店は2日から「秋の感謝祭」でセールなどを展開。21日は店内入り口付近で松前神楽函館連合保存会の神職ら7人が秋の豊作を祈る「福田舞」や面を付けて長寿を願う「三番叟(さんばそう)舞」を披露。最後に獅子舞が激しく踊り、来場客の頭をかんで回った。
函館市内の川井遼子さん(80)は「十字街(末広町)の店は子供の頃の遊び場だった。商品が安心して買える信頼があるので、歩いて通うのが習慣になっている」と話していた。
橋本店長は「百貨店を取り巻く環境が大きく変わる中、地域の皆さんに上質な暮らしを提案していきたい」と話していた。(深津慶太)