函館の歌舞伎役者、市川団四郎さん(79)が主宰、指導する「函館子ども歌舞伎」のメンバーが2、3の両日、ふるる函館(函館市青少年研修センター)で1泊2日の合宿を行った。昨年秋に開始したけいこは7月28日の本番に向けてほぼ折り返し。動きや台詞回しなど、市川さんや市松与紫枝さんらの熱のこもった指導を受けた。
公演は保護者らでつくる「函館子ども歌舞伎を育てる会」(佐藤観生会長)の主催。「白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場」、「絵本太功記 十段目 尼ケ崎閑居の場」、「三十三所 花の山『壺坂霊験記』沢市住居より谷底まで」の3演目を上演する。
現体制での合宿は初めてで、今月中旬から市川さんが石川県小松市での歌舞伎指導のため、不在になるため、春休みを利用して開催した。毎週土、日曜日に演目ごとにけいこをしているため、出演する子どもたちが全員集まる機会は少なく、互いの進ちょく状況を知る機会にもなった。
前回公演の白浪五人男で捕り手役として初舞台を踏み、今回は南郷力丸を演じる函館高丘小4年の今野毬杏さん(9)は「人にものを見せたり、大きな声を出すのも好き。練習は順調。久しぶりに会えた人もいて楽しい」と話した。絵本太功記で「武智光秀」役を演じる函館西高校に進学する佐藤敢為君(15)は「みんなでコミュニケーションを図って仲良くなることで、公演がいい方向に進むと思う」と話していた。
市川さんは「(現時点で)手応えは十分。いいところを伸ばしていければ。何より子どもたちが楽しそうに取り組んでいるのが一番で、お客さんにも感じてもらえる」と話していた。
1月から100万円を目標に始めたクラウドファンディング(CF)は今月22日が締め切り。5日現在で29件約27万円の支援がある。事務局は「子どもたちの頑張りに万全の準備で応えたい」と支援を呼び掛けている。CFのホームページは(https://www.countdownーx.com/ja/projects/jaccs)、問い合わせは事務局(080・4040・0728)へ。(今井正一)