低気圧の影響で激しい雨が降るなど大荒れとなった1日の道南地方。陸、海、空すべての交通機関に運休や遅れが出るなど大きく乱れた。函館市内では幹線道路を含めて深い水たまりができたり、緩んだ路面で動けなくなる車が続出。春を待ち望む3月のスタートを襲った嵐は市民生活に大きな影響をもたらした。
例年にない大雪で除雪や排雪作業が追いついていない函館市内の道路では生活路線を中心に雪にはまり動けなくなる車が続出。幹線道路でも排水溝が塞がれているため、冠水する路線も多く、車が通るたびに大きな水しぶきが上がった。
函館バスは同日、バスの進入や対向車とのすれ違いが困難な路線を中心に、停留所の変更、迂回路を設定して対応。運休を含めて函館市内路線だけで、18路線に影響した。2日以降は、天候回復後に道路状況を確認した上で対応を決めるとして同社は「ご不便をおかけしているが、ホームページで停留所の迂回情報などを確認してほしい」としている。
また、JR函館線は札幌間の特急に加え、長万部間の普通列車も運休したため、函館から長万部町に向かう路線バスには大きな荷物を持った外国人観光客らが乗り込み、満員状態で出発。JR函館支社によると、特急は前日から運休を決めていたこともあり、函館駅では大きな混乱は見られなかった。 強い風雨の影響で、JR函館駅前では傘が飛ばされそうになったり、傘を差すのを諦めたりして横断歩道を渡る観光客らの姿が見られた。車道はアスファルトが見えているが、渡り終えた歩道部分は凍結と水たまりで滑りやすいため、先に進むのが難しい様子だった。埼玉県川越市の主婦、黒田奈緒子さん(33)は「雪や雨を受けるのは仕方ないが、足元が悪く、歩きにくくて大変困る」、妹で主婦の竹林郁子さん(29)は「市電の(函館駅前)電停からJRの駅舎まで風が強くて傘が差せず、かなり雨で濡れた」と話していた。