函館市企業局交通部は15日未明、超低床電車「らっくる号」の新車を駒場車庫に搬入した。函館競馬場付近で道道を片側交互通行とし、クレーン車2台などを使った大作業は約4時間かけて完了。デビューは1月下旬を予定する。
4台目となるらっくる号は、現在稼働中の車両と同様、アルナ車両(大阪)が製造。フェリーで苫小牧に陸揚げ後、14日早朝に市内に運ばれた。
電車を積んだトレーラーは道路交通法の制限を超える特殊車両のため、通行許可を得て、作業は午前零時過ぎから開始。作業員の掛け声を合図にクレーン車で豪快に新車をつり上げた後、スロープなどを使って慎重に軌道上に降ろした。架線の電流を導き入れるパンタグラフを取り付けてから2001号車にけん引され、ほぼ予定通りの午前4時ごろに搬入を終えた。
らっくる号の新車は4年ぶり。国からの補助金などを活用し、2億4000万円で購入した。車体側面の行き先表示では、5カ国語で経由を案内する。今後は機器の作動を確かめる納入検査などを行う予定で、同部施設課は「早ければ1週間以内に運行を開始したい」としている。(山田大輔)